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【便秘外来☆連載企画 2009】

乳酸菌(植物性乳酸菌)による食養腸

「乳酸菌」とは「糖を分解して乳酸菌を作る細菌の総称」です。ヨーグルトやチーズなどの乳製品や乳酸菌飲料、キムチや味噌などの発酵食品に多くふくまれます。

乳酸菌は腸の中での細菌のバランスを改善し、体の調子を整えるといわれています。いわゆる「善玉菌」として腸の中で働くため、便秘には欠かせないものです。

私は、乳酸菌の中でも特に「植物性乳酸菌」が、食養腸に有効な食材であると注目しています。

 

乳酸菌には「動物性乳酸菌」「動物性乳酸菌」の2種類があることをご存知でしょうか。

「動物性乳酸菌」とは、ヨーグルトやチーズのように乳に生育する乳酸菌です。それに対して、漬物や味噌、しょうゆ、酒など発酵食に多く生育するのが「植物性乳酸菌」です。

カゴメ株式会社総合研究所の調査によると、1965年を境に、植物性乳酸菌よりも動物性乳酸菌の摂取が増えてきています。これは日本人の食生活の変化によるもので、乳酸菌利用食品の推移をみても、同じような傾向があることが分かります。

 

例えば、昭和30年当時の日本人は、動物性乳酸菌をほとんどとっていないのに対し、植物性乳酸菌を1人あたり1日に30億個も摂取していました。

ヨーグルトやミルクに多く含まれるため、コレステロールを多く摂ってしまう動物性乳酸菌に比べ、植物性乳酸菌を摂れる食品の代表として挙げられる「漬物」には、野菜を食べるため、食物繊維が一緒に摂れるという利もあります。

 

植物性乳酸菌には、乳酸菌の中でも特に生命力が強い性質があります。「栄養が少なく、塩分や酢酸が高く、低温である」という過酷な状況でも育つため、酸度の高い胃液や腸液に耐え生きることができます。つまり、長く体内で生きることができるので、 お腹の調子を整える力があるのです。

私がカゴメ株式会社総合研究所と共同で行った研究でも、腸内環境が整い、1日に服用する下剤の量が減るということが分かっています。 また、植物性乳酸菌を摂るだけでもお腹がすっきりするという感じが得られるようです。

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