8月23日に出演した、みのもんたさんの『おもいッきりテレビ』での体験をお話しましょう。
テーマはもちろん「停滞腸」。
「夏は腸トラブルが多くなる、腸に水分を留めておきましょう」という切り口から、その理由や原因、そしてその解消方法についてご紹介しました。
私もさまざまなメディアにご協力してきましたが、今回、番組側でご用意いただいた小道具は非常に分かりやすく、こういった説明方法もあるのだな、と面白く思いました。
例えば、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の違い
でこぼこした巨大な水道管をふたつに割ったようなものを停滞した腸管と考え、そこにヨゴレを模したものを置きます。停滞した腸管には模したプラスチック管は動きませんので、傾けてもヨゴレがデコボコにひっかかり、そのままでは排出されません。
そこでまず、粘り気のある水でヨゴレを流す。これが水を含んだ水溶性食物繊維の働きであると考えます。次に、残ったヨゴレをハケでかき出す。これを不溶性食物繊維の働きとして紹介します。ハケでかき出すときに刺激があるように、不溶性食物繊維も腸壁を心地よく刺激し、腸の動きを促しますので、その紹介もあわせて行うことができます。
水溶性食物繊維および不溶性食物繊維には、もちろん他の働きがあります。
しかし、こういったかたちで2つの違いを視覚化すると、
・それぞれ働きに違いがあること
・どちらも摂取しなければならないこと
が非常によく分かると思います。
医師として医学用語を用いて専門性に高い説明をすることも大切ですが、私は一般のかたに説明を行う場合、いかに分かりやすく理解していただけるか、という点を大切にしています。そういう意味で、こういった小道具を使用する可能性を見出せて、今回は大変勉強になりました。
番組内では「腸を動かすためには、食事で摂る食物繊維のバランスが大切である」こともご紹介しました。
例えば、不溶性と水溶性のバランス
腸を動かすには、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維を2対1の割合で摂取することが重要と考えられます。しかし、水溶性食物繊維を含む食品数は少なく、どうしても不溶性食物繊維に重心の傾いた食生活をおくりがちです。
といっても、自分の食生活において、食物繊維バランスがどのようになっているか、調べるのは困難ですよね。
そこで番組では、番組に出演しているコメンテーター4人のかたの「ある1日の実際の食事」をすべて調理した状態で並べ、そのうえで、それぞれの繊維比率を紹介していました。これならご覧になったかたも「自分の食生活に近いのはどのパターンか」という点を判断しやすかったのではないかと思います。
今回は、お仕事の都合で外食の多い益子直美さんが4対1、そのほかのかたで3対1という結果でした。一般のかたも、おおよそこのような結果になるのではないかと思います。
水溶性食物繊維の比率を高めるためには、とろろコンブなどを通常の食事に足すだけでもずいぶん違います。番組内では、みのさんが、いきなり食べておられましたが、実際はお味噌汁に入れたり、お弁当のご飯にのせたりすれば、摂りやすいと思います。