食物繊維は便のかさを増したり、便の水分を増やしたりする作用で便秘を解消するため、食養腸には有効な食材です。
中性脂肪の低下・血糖値の改善といった効果があり、動物実験では、体内のダイオキシンを吸着して外に出す働きも確認されているので、ぜひ積極的に摂取していただきたいと思います。
便通を促進するための食物繊維量は、成人で1日20〜21g(男性では26〜27g)とされています。しかし、現代人は食物繊維の摂取量が極端に不足しており、。14g程度しかとれていません。そこで、あと6〜7gを増やす計算で意識的に摂取していただく必要があります。
食物繊維をとる場合は、1点だけ、注意していただきたいことがあります。
実は食物繊維には「不溶性食物繊維」と「水溶性食物繊維」の2種類があり、それぞれ体への作用が異なるのです。不溶性は水に溶けない食物繊維で、キャベツやレタスなどに多く含まれています。水溶性は水に溶ける食物繊維で、海藻類や熟した果実などに多く含まれます。
どちらか一方だけとるのは逆効果です。例えば、若い女性の場合、不溶性食物繊維ばかりとってしまう人が少なくありません。しかし、不溶性食物繊維だけではしっかり水分をとらない限り、便が固くなってしまうのです。
以前、慢性便秘症の患者さんに水溶性食物繊維の一種である「ポリデキストロース」を摂取してもらったところ、水溶性食物繊維7gに不溶性食物繊維14gの割合が排便に対して良好であるという結果が得られました。
つまり、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維はおよそ「2対1」を目安にとるとバランスがよいといえます。
トマト・豆をはじめ、さまざまな野菜が豊富に使われている地中海型食生活をお手本にすると、不溶性と水溶性をバランスよくとることができます。
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当院の院長、松生恒夫には、さまざまな著書があります。
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