まず、排便の仕組みからご説明しましょう。
便意は腸と脳の連携プレーによって起こります。
食事をとると、食べ物が胃腸に入って、胃・結腸反射という反応が起きます。すると腸で蠕動運動が起こり、腸が動くことで便を直腸まで運びます。
便が直腸に入ると、直腸から脳へ信号が出ます。その信号を脳がキャッチし、便意を感じます。腸が健康であれば、コップいっぱいの水でも便意が起きるときがあります。
しかし腸の状態が悪いと、直腸から脳への信号が出にくくなるため、蠕動運動や直腸まで便を運ぶ動きが鈍くなり、便意が起きず、便秘がちになってしまうのです。
それでは、蠕動運動はどうやって起こるのでしょうか?これは、腸に存在するといわれる「第二の脳(セカンド・ブレイン)」が関わっているといわれています。
脳には約150億個の神経細胞がありますが、実は腸にも約1億個の神経細胞があります。そのうち、約2,000本は腸と脳を神経線維でつないでいますが、他は腸独自の神経ネットワークをもっています。これらの腸神経が「第二の脳(セカンド・ブレイン)」です。
セカンド・ブレインは、自分勝手に機能することが可能です。つまり、脳や脊髄からの指令を受けることなく、他の消化器官と協調して働き、他の臓器にも直接司令をだすことができるのです。
そして、消化や分解に必要なホルモン酵素の分泌を促したり、蠕動運動や消化・吸収のための運動を自発的に行っているのです。
【参考】 医学用語で見る排便のしくみ
胃・直腸反射が大蠕動を促し、S状結腸の内容が直腸へ運ばれると、直腸の伸展・直腸内圧の増加がおこり、直腸上部が収縮。外肛門括約筋の弛緩、内肛門括約筋の弛緩により、排便が起こります。
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